穴窯焼成体験 2015年 春ANAGAMA

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第21 回 穴窯焼成体験 2015/5/23~2015/6/6

< 窯詰め > 2015/5/23

初夏を感じさせる日差しの中「第21回能勢穴窯・大人の冒険ツアー」がスタートしました。

今回の焼成体験に向けて、春先から穴窯の構造を大修理!長年の焼成で落ちかかっていた天井を持ち上げ、空気の通り道である“ロストル”を広く改造し、より効率よく温度が上がるようにしました。
どんな焼き上がりになるのか、スタッフもドキドキの穴窯冒険ツアーのはじまりです。

初日は窯詰め。
参加された会員さんと協力しあいながら作業を進めていきます。
詰めるのは、全国から集まったゆう工房会員さんの力作、約300点。とっても緊張しますよね。
ひとつひとつ丁寧に扱いながら、灰の被り方を予想して作品の向きを考えたり、無駄なく詰められるように置き方を調整したり、、、。「パズルみたい・・・」と会員さんの声。

今春の穴窯では、窯の大修理と共に新たに準備した道具がありました。
それが“とちん”陶器の枕と書いて“陶枕(とちん)”と読みます。釉薬が流れて棚板に焼きつかないよう、高台の下に敷く道具です。
従来の“目土”を使った窯詰よりも効率がよく、会員さんからは「秘密兵器!」と呼ばれていました。
“とちん”大活躍でしたね!

窯詰を終えて窯から出てこられたみなさんのお顔は、緊張からの解放感と達成感で「やったで!」と言わんばかりの笑顔が溢れていました。一緒に作業すると、初めてお会いした方とも連帯感が生まれます。
穴窯体験の一番いいところだなといつも感じる瞬間です。

< 焼成1日目 >    2015/5/30

窯詰からの襷を受け取り、今日から2日間の焼成が始まりました。
1日3交代制で火を絶やさず作品を焼き上げていきます。

< 焼成1日目1ブース・火入れ >

まずは塩とお神酒で窯をお清めします。
皆さんの作品が素敵に焼き上がりますように、怪我なく無事に焼成を終えることができますように。
窯火の神様へ届くようしっかり2礼2拍手1礼をしてお祈りしました。

朝8時に火入れ、いよいよ焼成を開始します。
最初は“あぶり”といって、窯の中の湿気を飛ばし、徐々に温度をあげていきます。
お昼過ぎには500度を超えました。これは今までの記録で史上最速!幸先のいい滑り出しです。

合間をみて交代で薪のカットも行います。
初めてチェーンソーを手にされた方もいらっしゃったのではないでしょうか?そんな機会なかなかないですもんね。スタッフがしっかりレクチャーしますのでご安心ください!

< 焼成1日目2ブース >

15時から2ブース目のチームに交代。

温度計や煙突から出る煙の色を確認しつつ、薪を入れるタイミングを見計らいます。
明るかった昼間から気づけば日も暮れてあたりは真っ暗に。
パチパチと薪の燃える音や火の色がどんどん鮮やかになり、自然と焚口に視線が集中していきます。

21時半には1000度を超え、温度を安定させたまま1100度手前で次のチームに襷を渡しました。

< 焼成1日目3ブース・深夜 >

焼成1日目の22時。
ここからは深夜チームへと交代です。
翌朝8時までの長丁場。気の抜けない時間帯です。

1000度を超えてくると、温度の上がりもジワジワになってきます。
焚口の扉を開けている時間さえも命取り!素早く薪を投入し、窯の温度が下がるのを防ぎます。
まずは、穴窯スタッフと穴窯ベテラン会員さんとで薪をくべます。窯の温度が安定しだした頃に今度は初めて参加された会員さんと交代。みんなでローテーションして薪を投入していきます。

今回参加くださったのは、なんと男性会員さんばかり5名様。なんと頼もしい!!
みなさん真剣な表情をしつつも、温度が上がってくるとホッとした笑顔を見せてくださいました。

能勢の窯場は山里で街灯も少なく、夜になると近くを走る車も減るので本当に静か。この時期はカエルの鳴き声と薪の燃える音しか聞こえません。また目の前の小川を蛍が飛んだりして、とても幻想的な雰囲気が楽しめます。
夜も更けてくると焚口や煙突からの炎が一層鮮明で美しく、女性会員さんにも本当におススメブースです。
今年は例年よりたくさんの蛍が見られたようですよ!

ゆっくり時間が経つのを感じながら、朝を迎えました。

< 焼成2日目 >    2015/5/31

< 焼成2日目1ブース >

焼成2日目8時で次のチームと交代です。
ここからは、気温も上がり窯の温度があがりにくい忍耐の時間帯。これまでのみなさんの襷をしっかり受け取り、最終へと繋げる大事なブースです。
まずは穴窯恒例、円陣を組んで「ゆーこーぼー!!!」みんなで叫んで気合を入れます。

参加された会員さんは穴窯ベテラン会員さんが多く、初めて参加された会員さんと一緒に薪くべをしていただきました。

窯の温度は上がったり、下がったり・・・。
5月にしては気温も高く、焚口の前に立つともう真夏以上の暑さです。次から次へと汗が・・・。ですが、そんなことは言っていられません!使命感に燃えながら、ただひたすらに薪をくべ、チェーンソーで薪を切り、温度が上がるのを祈ります。
そしてようやく15時前に1200度突破!歓声があがり、拍手拍手!みなさん笑顔で写真をパチリ!いい汗かきましたね!
時折、山から涼しい風が流れ「自然のクーラーやー」と涼む光景も。これぞ自然の醍醐味です。

合間では今回も持ち寄りでお鍋リレーをしました。
二日目ともなると、お肉やお野菜などいろんな味が染み出ていておいしかったです!疲れた身体も回復リフレッシュしました。

< 焼成2日目2ブース >

15時になり、最終ブースに突入です。
引き続き温度が上がりにくい、難しい時間帯。窯との闘いが続きます。冷たいお茶を補給しつつ、もうひとふんばり!「温度を上げたい!」というみんなの気持ちが一つになっていきます。

またこのブースは、一の間と呼ばれる窯の後方にある小さな焼成室にも薪をくべ、さらに温度を上げていきます。焼成室が小さいということはその焚口も小さく、薪もそれ用に細いものを用意します。
初参加の会員さんも、工夫されながら「こうしたら早く割れる!」と細い薪をどんどん割っていってくださいました。

1200度前後をキープし、日が落ちる頃に焼成終了。前方と後方の焚口に蓋をし、温度が下がらないように隙間に土を打ちます。煙突にも蓋をして二日間に渡る焼成が無事終了しました。

すっかり日も暮れ、辺りは真っ暗に・・・。と、ここで窯の前を流れる川からぼんやりと小さな光が!「あ!ホタルや!きれいきれい!!」と疲れも忘れて大興奮。暗闇をゆっくりと舞う姿はとっても幻想的でしたね。
この時期にしか見れないのでとても貴重な体験になりましたね。

< 窯出し > 2015/6/6

梅雨入り前のじとっとした季節が続く中、ついに窯出しの日がやってきました。
心配されたお天気もなんとかもってくれてホッ。
焼成から1週間。こんなに待ち遠しい週末はなかったのではないでしょうか?

穴窯に到着し、はやる気持ちを抑えながらまずは煙突の蓋を開け、それからレンガで蓋をした焚口を開けていきます。
「前回のよりうまく焼けているかな?」「自分の作品を一番前に窯詰めしたから良く見える!」なんて会話をしながら、焚口を代わり番こに覗き込みます。
この瞬間は毎度のことながらスタッフも本当に緊張しドキドキします。

みなさん窯出しされた作品を手に取り「この釉薬の流れ具合いいね」「自然釉がとてもきれい!」と陶芸ならではのワードが飛び出します。
真っ先に作品の焼き上がりが見れるのは窯出しに参加された方の特権!ですね。

さて今回の焼き具合はいかに、、、。
結果は、
とっても良く焼けていました!溶けすぎて、釉薬が流れ棚板に焼きつき、窯出しするのに手こずるほど。窯の大修理は大成功だったようです。
降灰もしっかりしており窯の後ろの方の作品までもよく溶け、上々な焼き上がりでした。
次回からは釉薬を2重掛けではなく、黄瀬戸や伊羅保などの釉薬を単味で施釉するだけでも、自然灰と相まって力強い味わいのある作品に焼きあがるのではと期待できます。

窯出しされた作品はそれぞれの教室へと送られ、各教室で展示させていただきました。
またゆう工房で厳選に厳選を重ね、金、銀、銅賞ほか穴窯特選20選!など数十点を選出し、ゆう工房HP内で発表いたしました。今回も見事な作品が多数生まれ、いい焼き具合に我々スタッフも嬉しい気持ちでいっぱいです。
来秋の焼成体験も今から楽しみですね。